20日の香港市場は下値を探る展開か。米中貿易摩擦を巡る懸念や人民元安の進行が引き続き相場を重しになりそうだ。米国と中国の貿易協議が停滞し、互いに制裁関税の対象を拡大するとの警戒感が強まっている。トランプ米政権は近く、中国からの輸入品に対して第二弾となる160億米ドル分の商品への追加関税を発動するとみられる。こうした中で人民元安が加速し、前日夜のオフショア市場で一時は1米ドル=6.8人民元の水準を突破する場面もあった。中国当局が元安を容認しているとの見方が浮上しており、人民元相場の先安観から投資資金の流出懸念が根強い。香港市場でハンセン指数は28000ポイント付近で下値抵抗がみられているが、同水準を割り込んだ場合は一段安の展開になるとの見方が出ている。
前日のNY市場でダウ平均が6営業日ぶりに反落し、ハイテク株比率の高いナスダック総合は続落した。自動車関税を巡る米欧の貿易摩擦への警戒感が重荷となり、利益確定売りが優勢に推移した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、欧州金融大手のHSBC(
00005)が香港終値を上回った一方、IT大手のテンセント(
00700)、アジア生保のAIAグループ(
01299)、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)などが下回って引けた。