13日の香港市場は買い先行か。前日のNY市場でダウ平均が大幅に反発したほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合は約3週間ぶりに過去最高を更新した。米中貿易摩擦を巡り新たな悪材料が出ておらず、前日の中国本土市場が大幅に反発したこともあり、貿易戦争に対する過度な懸念が和らいだ。香港市場で米中株高が地合いの改善に繋がりそうだ。足元の調整を経て値ごろ感の出た銘柄を買い戻す動きが続くと予想する。前日に相互取引を通じて本土から香港株を売買する「南向き」資金が41億HKドル超の買い越しとなり、安値拾いを狙った本土マネーの流入に対する期待も相場を支えよう。
ただ、通商問題を巡る先行き不透明感が根強い中、上値追いに投資家は依然として慎重な姿勢を崩さないだろう。市場では、29000ポイント付近が上値抵抗になるとの見方が出ている。また、きょうから週明けにかけて、中国の貿易統計や金融統計、4−6月国内総生産(GDP)など重要経済指標の発表が続く。内容を見極めたいとする投資家心理が相場を重くする可能性がある。
12日の香港株の米国預託証券(ADR)は欧州金融大手のHSBC(
00005)、IT大手のテンセント(
00700)、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)、通信キャリア大手のチャイナ・モバイル(
00941)などが香港終値を上回った。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約150ポイント上回る水準で寄り付くことになる。