10日の香港市場は前日の米株高の流れを引き継ぎ、買いが先行か。米国と中国が互いの輸入品に対する追加関税を6日に発動したが、その後は新たな悪材料が出ておらず、投資家心理の改善につながりそうだ。9日のNY株式市場では、週後半から発表が本格化する米主要企業の四半期決算が良好な内容になるとの期待もあって、ダウ平均など主要3指数がそろって3日続伸した。米長期金利や、主要通貨に対する米ドル相場が足元で落ち着いていることから、香港を含む新興国市場からの資金流出懸念も後退するだろう。
もっとも、米国が貿易紛争の戦線を拡大するリスクはくするぶる。香港の市場関係者から、トランプ米大統領が総額5000億米ドル相当の中国製品に対する制裁関税などに再び言及すれば、「中国本土と香港の株式相場に新たな下押し圧力がかかる」(香港経済日報)との声が聞かれた。ハンセン指数が心理的節目の29000ポイントに近づく水準では上値が重い展開がありそうだ。
9日の香港株の米国預託証券(ADR)は総じて上昇した。国際金融銘柄のHSBC(
00005)とAIAグループ(
01299)、中国金融大手の中国建設銀行(
00939)と中国平安保険(
02318)、インターネット大手テンセント(
00700)などが香港終値を上回って引けた。なお、中国国家統計局がきょう午前に6月の物価統計を発表する。