28日の香港株式市場でハンセン指数は4日ぶりに反発。前場終値は前日比0.50%高の28497.32ポイントだった。中国企業指数は0.10%安の10868.45ポイント。メインボードの売買代金は概算で1172億5100万HKドル。
ハンセン指数は小動きで始まり、前日終値を挟んで一進一退の方向感に乏しい値動き。米中通商交渉の先行き不透明感が投資家心理の重荷だった。終盤に下げ幅を拡大して取引時間中の年初来安値を連日で更新する場面があったが、昨年12月7日に付けた安値(28134.93ポイント)に迫る水準で底堅さを確認すると、大引けにかけてプラス圏へ切り返した。前日終値は6カ月半ぶりの安値を付けただけに、割安感が出た銘柄に買いが入りやすい環境。「貿易戦争の影響を受けにくい銘柄を選ぶべき」(第一上海証券主任ストラテジストの葉尚志氏)との見方から、時価総額が大きいAIAグループ(
01299)やテンセント(
00700)が上昇し、相場を支えた。前日の原油高を手掛かりに、石油株も買われた。
ハンセン指数構成銘柄では、中国石油メジャーのシノペック(
00386)とCNOOC(
00883)、ペトロチャイナ(
00857)が軒並み高。スマートフォン部品メーカーの舜宇光学科技(
02382)、瑞声科技(
02018)は大きく反発した。豚肉大手の万洲国際(
00288)も高い。半面、石炭株の中国神華能源(
01088)、不動産デベロッパーの碧桂園(
02007)が大幅に続落した。カジノ株の銀河娯楽(
00027)とサンズ・チャイナ(
01928)もさえない。
H株では、空運の中国東方航空(
00670)、中国南方航空(
01055)が大きく売られた。
中国政府傘下の不良債権会社である中国華融資産管理(
02799)の続落が目立った。一方、油田サービスのシノペック石油工程技術服務(
01033)、自動車メーカーの東風汽車集団(
00489)が高い。環境マネジメント会社の東江環保(
00895)は反発。前日は、江西省子会社の総経理が汚染物質観測データを改ざんした疑いで逮捕されたことから、株価が9.21%下落していた。