21日の香港株式市場でハンセン指数は反落。終値は前日比1.35%安の29296.05ポイントだった。中国企業指数は1.23%安の11364.66ポイント。メインボードの売買代金は概算で1034億7200万HKドルだった。
ハンセン指数は高く始まったものの、中国本土相場がマイナス圏に沈むと前引けにかけて下げに転じた。終値は昨年12月20日以来ほぼ6カ月ぶりの安値を付けた。欧州連合(EU)の欧州委員会は米国の鉄鋼・アルミニウム輸入制限への対抗措置として22日から米国からの輸入品に報復関税を課す。貿易戦争の戦線が世界的に拡大するとの警戒感から、幅広いセクターで売りが優勢となった。一方、中国商務部の報道官がきょうの定例会見で、米国の制裁関税へ反撃するため、「数量的な手段と質的な手段」を総合的に用いると改めて表明。市場では中国が関税以外の措置で対抗するとの観測が浮上した。ハンセン指数は一時、強気相場と弱気相場の分かれ目とされる250日移動平均(大引け時点で29282.45ポイント)に迫る水準まで落ち込んだ。
ハンセン指数構成銘柄では、大型金融株のAIAグループ(
01299)とHSBC(
00005)、中国建設銀行(
00939)が下げ、相場の下落を主導。スマートフォン部品メーカーの舜宇光学科技(
02382)は、証券会社による弱気判断を受けた売りが膨らみ、大幅に反落した。前日の米ナスダック上昇の流れを引き継いで高く始まったテンセント(
00700)も、前引け間際に前日終値を割り込んだ。中国石油メジャーのCNOOC(
00883)、自動車メーカーの吉利汽車(
00175)も大きく売られた。上昇は石炭株の中国神華能源(
01088)と、香港不動産関連の太古A(
00019)、恒隆地産(
00101)の3銘柄だけだった。
H株では、中信証券(
06030)など証券株が軒並み大幅に下落した。生保会社の新華人寿保険(
01336)、発電大手の華能国際電力(
00902)も安い。半面、鉄道電力制御システムの株洲中車時代電気(
03898)、建材大手の安徽コンチセメント(
00914)、通信網建設・保守の中国通信服務(
00552)がしっかり。