17日の香港市場は買いが先行か。ハンセン指数は前日に小幅ながら続落しただけに、自律反発を見込む買いが入りやすい状況だ。前日大引け後発表した四半期業績が大幅増益だったテンセント(
00700)が上昇し、相場を押し上げる公算が大きい。同社の2018年1−3月期決算は、純利益が前年同期比60.9%増の232億9000万元と、ファクトセットがまとめた市場コンセンサス予想の183億8700万元から大幅に上振れた。17日のNY株式市場でダウ平均など主要3指数がそろって反発したことも、投資家心理を支えるだろう。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、テンセントのほか、国際金融銘柄のHSBC(
00005)とAIAグループ(
01299)が香港終値を大きく上回って引けた。
ただ、米長期金利と米ドル相場の上昇が続くなか、香港を含む新興国市場から資金が流出するとの警戒感がくすぶる。買い一巡後は上値が重い展開があり得るだろう。16日のニューヨーク債券市場で、米長期金利の指標となる10年物国債利回りは一時3.10%をつけ、約6年10カ月ぶりの水準を更新した。主要通貨に対する米ドルの強さを示すドルインデックスは昨年12月中旬以来の高水準にある。また、米国と中国の通商協議の進展を見極めたいとして、投資家が積極的な売買を見送る可能性もある。中国の鶴副首相は15日に米国入りしており、ムニューシン米財務長官やライトハイザー米通商代表部(USTR)代表らと19日までの予定で公式交渉を行う。