週明け23日の香港市場は、前週末の米株安の流れを引き継ぎ売りが先行か。20日のNY株式相場では、「iPhone」販売不振が警戒されてアップルが大幅続落するなどIT株が総じて下げ、ダウ平均が3日続落し、ハイテク株比率が高いナスダック総合が続落した。香港市場でもハイテクセクターに下げ圧力がかかりそうだ。米長期金利の上昇も売り材料。指標となる米10年物国債利回りが2.9602%と2014年1月9日以来約4年3カ月ぶりの水準に上昇した。香港から資金が流出する懸念が強まると予想する。
また、米中貿易紛争が深刻化するとの警戒感は根強く、引き続き投資家心理の重荷となろう。中国本土の株式相場に影響する材料として、中国人民銀行(中央銀行)の公開市場操作(オペ)が注目されそうだ。先週は18−19日にオペで大量の資金を供給したものの、20日はオペを見送ったことで、同日の上海総合指数が下げる一因となった。
20日の香港株の米国預託証券(ADR)は、中国の大手商業銀行の中国建設銀行(
00939)と中国工商銀行(
01398)やIT大手のテンセント(
00700)、香港コングロマリットの長江和記実業(
00001)などが香港終値を下回った。半面、金利上昇により利ざや拡大が見込める欧州の銀行最大手HSBC(
00005)や、原油相場の反発が買い材料となるCNOOC(
00883)は上回って引けた。