22日の香港市場は神経質な展開か。決算発表が本格化するなか、個別銘柄の業績を手掛かりに売りと買いが交錯すると予想する。前日大引け後に中国IT大手のテンセント(
00700)が発表した2017年10−12月期決算はほぼ市場予想と一致したものの、スマートフォン用ゲームの収入が前四半期を7%下回り、データ公表を始めた2015年1−3月期以降で初めて減少した。時価総額が大きいテンセントが下げれば、ハンセン指数の重荷となる。
きょうはハンセン指数構成銘柄のペトロチャイナ(
00857)、チャイナ・モバイル(
00941)、中国人寿保険(
02628)が17年12月本決算を発表する。21日の香港株の米国預託証券(ADR)は、テンセントや中国携帯通信最大手のチャイナ・モバイルが香港終値を下回った一方で、生保大手の中国人寿保険、欧州金融大手のHSBC(
00005)、中国石油メジャーのCNOOC(
00883)などが上回って引けた。同日のNY株式相場はダウ平均など主要3指数がそろって反落した。
米金利が相場に与える影響も大きい。米連邦準備理事会(FRB)は注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場予想通りに政策金利の0.25%引き上げを決定。利ざや拡大と投資収益増加が期待できる銀行・保険株の買い材料となろう。半面、2019年の利上げ見通しはこれまでの年2回から年3回に引き上げられており、ハイテク株や不動産株の売りにつながる可能性がある。また、外為市場では主要通貨に対する米ドル相場が落ち着く一方で香港ドルが下げ止まらず、資金流出が警戒されそうだ。