週明け19日の香港市場は米株高の流れを引き継ぎ、反発してスタートか。前週末のNY市場でダウ平均が続伸したほか、ハイテク比率の高いナスダック指数は小反発した。前週半ばにかけて米市場が大きく下げていただけに戻しを期待した買いに加え、2月の鉱工業生産などの米経済指標の改善を好感した買いが相場を支えた。16日の香港株の米国預託証券(ADR)は、欧州金融大手のHSBC(
00005)、アジア生保のAIAグループ(
01299)、石油メジャーのシノペック(
00386)、ペトロチャイナ(
00857)、CNOOC(
00883)、本土保険大手の中国平安保険(
02318)などが香港終値を上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約100ポイント上回る水準で寄り付くことになる。
一方、高値追いの動きは限られると予想する。米中貿易摩擦の激化や、米中関係の悪化への懸念が引き続き相場の重しとなりそうだ。トランプ米政権が対中貿易で最低でも300億米ドルの輸入関税を検討していると伝わるなど、貿易問題で中国への圧力を強めているほか、16日に米国で台湾との間で高官の相互訪問を促す「台湾旅行法」が成立した。同法に対して中国外交部は17日の談話で「断固として反対する」と表明し、強く反発している。米中関係の緊張は一層高まりそうだ。
今週は重要イベントを控えており、様子見気分も相場を重くしよう。19−20日には20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議、20−21日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。23日には米政府が鉄鋼・アルミへの関税を発動する見通し。中国本土では20日に全国人民代表大会(全人代)が閉幕する。