22日の香港市場は売りが先行か。米ドル高と米長期金利の上昇を受け、香港を含む新興市場から資金が流出するとの懸念が強まりそうだ。米連邦準備理事会(FRB)が現地時間21日午後に公表した1月開催分のFOMC議事録が年内3回程度の利上げを示唆する内容だったことで、長期金利の指標となる米10年債利回りが節目の3%に向けて上昇。同日のNY市場でダウ平均が続落し、ハイテク株の比率が高いナスダック総合も3日続落した。原油先物相場の下落も、香港市場で関連銘柄の売り材料となるだろう。
決算発表や業績見通しを手掛かりとする個別銘柄の物色は、引き続き活発と予想する。きょうはハンセン指数構成銘柄である東亜銀行(
00023)が2017年12月本決算を発表する予定。もっとも、前日の香港株式相場は大幅に反発しただけに、いったん利益を確定する売りが上値を重くする可能性がある。ハンセン指数は一時31477.85ポイントまで上昇し、チャート上の2月5日と7日の間の窓を一部埋めた形になった。市場では、「7日取引時間中の安値(31712.02ポイント)が上値抵抗として意識される」(香港経済日報)との声が聞かれた。
一方、中国本土で春節(旧正月)連休が終わり、きょう休場明けとなる株式市場は上昇して始まると予想されている。本土市場での銀行セクターが買われ、香港に重複上場する銘柄に波及すれば、相場を下支えする要因となろう。本土投資家が相互取引制度を通じて香港株を売買する「南向き」取引もきょうから再開する。