14日の香港株式市場でハンセン指数は小幅に反落。終値は前日比0.10%安の29152.12ポイントだった。H株指数は0.71%安の11601.69ポイント。メインボードの売買代金は概算で1082億4100万HKドル。
ハンセン指数は前日の米株高の流れを引き継いで続伸して始まったものの、中盤以降は前日終値付近でもみ合い。中国の弱い経済指標と本土相場の下落を嫌気する売りが重荷となった。前日大引け後に中国人民銀行(中央銀行)が発表した金融統計や、国家統計局がきょう午前に発表した10月の鉱工業生産と小売売上高が市場予想を下回り、足元の中国景気に対する懸念が広がったもよう。もっとも、中国本土市場と香港市場の先高観は根強い。相互取引制度を通じた資金流入が続いているともあって、下値は限られた。セクター別では本土系銀行や石油、通信が売られた半面、不動産とセメントが買われた。
ハンセン指数構成銘柄では、時価総額が大きいチャイナ・モバイル(
00941)、HSBC(
00005)、中国建設銀行(
00939)が売られ、相場を押し下げた。中国石油メジャーのCNOOC(
00883)、ペトロチャイナ(
00857)、シノペック(
00386)が軒並み安い。前日高かった米アップル関連銘柄の瑞声科技(
02018)、通信キャリアのチャイナ・ユニコム(
00762)は反落した。一方、吉利汽車(
00175)が6.42%高と逆行高を演じ、一定の下支えとなった。親会社が「空飛ぶ車」開発の米テレフギアを買収すると伝わり、思惑買いが膨らんだ。アジア基盤の保険会社AIAグループ(
01299)は中国による金融業務への外資参入規制の緩和が引き続き材料視され、連日で上場来高値を更新。香港系不動産デベロッパーの新鴻基地産(
00016)、恒隆地産(
00101)は大きく買い戻された。
H株では、広州白雲山医薬(
00874)や山東新華製薬(
00719)など医薬株の下げがきつい。本土系保険大手の中国人民保険(
01339)と傘下の中国人民財産保険(
02328)も下げた。一方、セメント株の中国中材(
01893)、中国建材(
03323)、安徽コンチセメント(
00914)の上昇が目立つ。本土航空会社の中国東方航空(
00670)、中国国際航空(
00753)、中国南方航空(
01055)がそろって買われた。