19日前場の香港市場で、通信設備大手の中興通訊(
00763)が安い。寄り付き直後は下落率が前日比で8.3%に拡大。日本時間午後0時10分現在、前日比6.27%安の27.65HKドルで推移している。同社が18日大引け後に発表した2017年1−9月期決算(中国会計基準)の速報値について、モルガン・スタンレーは7−9月期の純損益がコアベースで赤字だったと指摘した。『AAストックス』が19日伝えた。
モルガン・スタンレーは決算速報を受けて発表した最新リポートで、中興通訊が子会社のヌビア・テクノロジーの一部持ち分の売却益と残る持ち分の評価益を合わせて21億元の一過性利益を計上したにも関わらず、7−9月の純利益が16億元にとどまったことに注目。中核事業が赤字だったことに懸念を示した。また、7−9月期の売上高が前年同期比で5%減少したことについて、足元で国内通業界の設備投資が縮小期にあるだけに減速は想定内のことだとした。中興通訊が示した2017年通期純利益予想の43億−48億HKドルに関しても、市場予想の49億元を下回ったとの見方を示した。
中興通訊の2018年予想PERが23倍に達しており、ヒストリカルの高水準にあるとして、投資判断を「アンダーウエート」に据え置いた。次世代通信規格「5G」による業績への貢献は2019年になるとの見方を示す一方、向こう数年にわたり赤字事業などの売却で一過性利益を計上する可能性を織り込み、目標株価を16HKドルから18HKドルに上方修正した。