17日の香港市場で中国食品(
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特別配当は1株当たり0.93HKドル。中糧集団から受け取る総額50億6900万HKドルのうち26億100万HKドルを原資とする。残る24億6700万HKドルは銀行融資(22億6700万HKドル)の返済などに充てる。中国食品は臨時株主総会を開き、事業売却と特別配当について中糧集団以外の株主の承認を求める。
中国食品は「長城」ブランドのワインなどを製造・販売する事業の持ち株会社4社の全権益を譲渡する。中糧集団は代価として14億HKドルを支払うほか、持ち株会社の中国食品に対する債務36億6900万HKドルを肩代わり返済する。同事業の2016年12月本決算は2億600万HKドルの赤字、2017年6月中間決算は4億4000万HKドルの赤字と業績が悪化しており、中国食品は中国市場での成長は期待できないとして撤退を決めた。
中国食品は酒類事業を手放した後、米コカ・コーラカンパニーとの合弁事業を中心とする飲料事業に経営資源を集約する方針を明らかにした。飲料事業は中国食品にとって最も利益率の高い部門。中国食品とコカ・コーラカンパニーがそれぞれ65%、35%出資するCOFCOコカ・コーラベバレッジズが事業を担っている。また、中国食品はボトル入り飲料水など非炭酸飲料事業を中国で展開する構想も示した。