17日の香港市場は米株高の流れ引き継ぎ買い優勢で始まるか。前日の米株市場はダウ平均など主要3指数がそろって過去最高値を更新。良好な経済指標が好感されたほか、本格化する企業決算への期待が相場を支えた。ハイテク株の比率が高いナスダック総合が最高値を更新したことも香港市場での関連銘柄の買いを誘いそうだ。中国本土からの南向き資金の純流入が続いていることや、あす開幕の中国共産党大会に向け恩恵銘柄への思惑買いなどが引き続き相場を支えると予想する。中国人民銀行(中央銀行)の周小川行長が中国経済は回復しているとして、今年下期の成長率が7%を達成する見込みを示したことも投資家心理を強気に傾けそうだ。
もっとも買い一巡後は上値の重い展開か。ハンセン指数は前日に2007年12月以来、約10年ぶりの高値を更新した後だけに目先の利益を確定する売りが出やすい環境だ。足元の米長期金利の上昇を背景に香港を含む新興国市場から資金が流出するとの懸念なども加わり、相場の重荷となると予想する。週後半に中国で19日に四半期GDPや固定資産投資など9月の主要経済指標の発表を控えていることも様子見ムードを誘いそうだ。
なお16日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。中国IT大手のテンセント(
00700)、中国の通信キャリア大手のチャイナ・モバイル(
00941)、中国石油メジャーのペトロチャイナ(
00857)、シノペック(
00386)などが香港終値を上回った。半面、欧州金融大手のHSBC(
00005)、本土金融大手の中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)、中国人寿保険(
02628)などが下回って終えている。