17日の香港市場は米株高の流れを引き継ぎ買い先行か。前日のNY株式市場はダウ平均が5営業日ぶりに22000米ドル台を回復。米連邦準備理事会(FRB)が公表した7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録で物価の伸び悩みが懸念されていることが明らかになり、利上げの先送り観測が買い安心感を誘った。香港市場では決算発表がピークを迎え、業績を手掛かりに個別銘柄を物色する動きが活発になると予想する。前日大引け後にハンセン指数の主力構成銘柄であるテンセント(
00700)が2017年6月中間決算を発表し、売上高と純利益がともに市場コンセンサス予想を上回った。きょうは中国平安保険(
02318)と太古A(
00019)が発表を予定している。
もっとも、本土市場との相互取引を通じた香港株の売買は売り越しが続いており、資金流出への警戒感が残る。また、北朝鮮を巡る地政学リスクへの警戒感は後退しているが、来週から韓国で始まる米韓合同軍事演習を控えて再燃する可能性がある。
なお、16日の香港株の米国預託証券(ADR)は、IT大手のテンセントが香港終値を大幅に上回ったほか、保険大手の中国平安保険やAIAグループ(
01299)なども堅調。半面、香港電力事業会社の電能実業(
00006)や中国4大商業銀行の中国工商銀行(
01398)が下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を180ポイント上回る水準で寄り付くことになる。