週明け24日の香港市場は底堅い展開か。米国の物価上昇が鈍るなかで年内利上げの公算が小さくなったとの見方が広まっているほか、中国人民銀行(中央銀行)による資金供給や、香港市場への資金流入期待が投資家心理を支えそうだ。
市場では、25−26日開催の米公開市場委員会(FOMC)が政策金利を据え置くとみる向きが多い。一方、人民銀は先週、公開市場操作(オペ)を通じて差し引き5100億元の資金を銀行間市場に供給し、5週間ぶりに供給超過に転じた。供給規模はほぼ半年ぶりの大きさだった。また、米ドルの主要通貨に対する強さを示すドルインデックスは下落傾向が続いており、香港を含む新興国市場への資金流入を誘いそうだ。中国本土市場との相互取引制度を通じた香港株の売買を含め、資金が海外から香港市場へ流入している。
半面、前週末のNY株式相場が小幅に下げたこともあって、上値は重いと予想する。モラー特別検察官がトランプ米大統領のロシア事業を調査との報道を受け、トランプ氏や側近とロシアとの不透明な関係を巡る疑惑への警戒感が強まった。原油先物相場の下落も関連銘柄の売り材料となろう。21日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。中国IT大手のテンセント(
00700)や携帯通信最大手のチャイナ・モバイル(
00941)、アジア基盤の保険会社AIAグループ(
01299)が香港終値を上回った半面、大手銀行のHSBC(
00005)や中国建設銀行(
00939)、香港電力事業会社の電能実業(
00006)が下回って引けた。