19日の香港株式市場でハンセン指数は3営業日続落。終値は前日比0.41%安の23825.88ポイントだった。H株指数は0.60%安の9983.73ポイントと、約2カ月ぶりに10000ポイントを下回った。メインボードの売買代金は概算で722億4100万HKドル。
ハンセン指数は安く寄り付いた後、前場半ばまでは下げ幅を広げる展開となった。英国が前日にEU離脱推進に向けた総選挙の前倒し実施を表明。反欧州連合(EU)を掲げる政党が支持を集めているフランスで23日に大統領選を控えていることもあり、欧州政治の先行きに対する警戒感が改めて意識された。これに加え、北朝鮮を巡る地政学的リスクへが引き続き懸念されているほか、中国本土市場で金融当局の取り締まり強化などを嫌気して上海総合指数が4日続落でスタートしたことも投資家心理を悪化させた。ただ、23750ポイントを下回る水準では下げ渋ると、指数は次第に下げ幅を縮小した。前日に心理的節目の24000ポイントを割り込み、終値が約1カ月ぶりの安値を付けただけに、値ごろ感の出た銘柄を中心に買い戻しが入り、相場を下支えた。
ハンセン指数構成銘柄では、アジア生保のAIAグループ(
01299)や本土系銀行の中国建設銀行(
00939)、欧州金融大手のHSBC(
00005)など金融株が軟調。きょう朝方発表された米原油在庫の減少が予想を大幅に下回ったことを受け、石油メジャーのCNOOC(
00883)、ペトロチャイナ(
00857)、シノペック(
00386)が売られた。。「粤港澳大湾区」(広東省・香港・マカオ沿岸地域)テーマ株として買いを集めていた招商局港口(
00144)が続落したほか、前日に高かった台湾系食品メーカーの中国旺旺(
00151)も利益確定売りに押された。マカオカジノの銀河娯楽(
00027)、サンズ・チャイナ(
01928)も下げが目立った。半面、証券大手の強気判断を手掛かりに自動車メーカーの吉利汽車(
00175)が約6%を超す上昇。アップル関連銘柄の瑞声科技(
02018)も約5%の大幅高。米アップルが早ければ今秋にもiPhone 10周年の特別モデル3機種を発表するとの情報が材料視された。
H株では、中国国際航空(
00753)、中国東方航空(
00670)など航空株や、中国中鉄(
00390)、中国交通建設(
01800)などインフラ建設株が売られた。支店長が違法行為の疑いで公安の取り調べを受けていることを公表した中国民生銀行(
01988)が続落。半面、大手通信機器メーカーの中興通訊(
00763)が大幅高。長城汽車(
02333)、北京汽車(
01958)など自動車株や天津創業環保(
01065)など「雄安新区」テーマ関連株の一角も物色された。