12日の香港株式市場でハンセン指数は5営業日ぶりに反発。終値は前日比0.93%高の24313.50ポイントだった。H株指数は0.42%高の10208.31ポイント。メインボードの売買代金は概算で718億3900万HKドル。
ハンセン指数はおおむねマイナス圏で推移したが、終盤に急反発した。朝鮮半島情勢が緊迫感を増す中、指数は安く寄り付き、序盤に心理的節目の24000ポイントを割り込む場面もあった。週末から始まる連休を前に投資家のリスク許容度が低下し、持ち高調整の売りが重し。一方、北朝鮮への対応を巡り、中国の習近平国家主席とトランプ米大統領が電話で協議したことを中国の中央テレビが報じると、高まっていた地政学リスクへの懸念は次第に和らいだもよう。習氏は朝鮮半島の非核化目標を堅持する一方、「平和的な方法」で解決すべきだと伝え、軍事力行使をちらつかせる米国に自制を求めた。ハンセン指数は前日まで4営業日続落し、約1カ月ぶりの安値水準にあるだけに、相場が上向くと安値拾いの買いが一気に広がった。指数は10日移動平均(12日大引け時点で24267.22ポイント)、20日移動平均(同24285.21ポイント)を次々と上抜き、きょうの高値で引けた。
ハンセン指数構成銘柄では、時価総額上位のテンセント(
00700)、AIAグループ(
01299)、HSBC(
00005)が終盤に買われて指数を押し上げたほか、このところ軟調だった中国建設銀行(
00939)、中国人寿保険(
02628)など本土系金融株が買い戻された。自動車メーカーの吉利汽車(
00175)が6営業日ぶりに大幅反発。招商局港口(
00144)も高い。李克強首相が「粤港澳大湾区」(広東省・香港・マカオ沿岸地域)の一体化開発に向けて発展計画を策定する意向を示したことを受け、同地域を地盤とする関連銘柄が物色された。半面、原油高基調に加え、証券会社による弱気判断の継続を嫌気し、香港航空大手のキャセイ・パシフィック(
00293)やその株主の太古A(
00019)が売られた。ハンセン指数を構成する50銘柄のうち、37銘柄が上昇、3銘柄が変わらず、10銘柄が下落した。
H株では、河北省「雄安新区」関連銘柄の北京首都国際機場(
00694)が16%を超す上げ。中国国際コンテナ(
02039)、広東粤運交通(
03399)が「粤港澳大湾区」関連株として買いを集めた。半面、前日に逆行高だった軍需関連の中船防務(
00317)やセメントの北京金隅(
02009)が利益確定売りに押された。H株指数を構成する40銘柄のうち、28銘柄が上昇、5銘柄が変わらず、7銘柄が下落した。