週明け13日の香港市場は軟調な展開か。米連邦準備理事会(FRB)が月内の利上げに踏み切るとの見方から売りが先行しそうだ。10日発表された2月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数(NFP)が市場予想の20万人増を上回る23.5万人増と強い結果となった。好調な雇用情勢を受けて、14−15日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが決まるのは確実とみられる。今後の利上げペースを占う上でFOMC後のイエレンFRB議長の記者会見に注目が集まっており、結果を見極めたい投資家が積極的な買いを見合わせるだろう。香港ドルの対米ドル相場は足元で昨年12月中旬以来の安値となる1米ドル=7.7670HKドル付近まで下げていることから、資金流出懸念が強まっている。また、中国では2月の消費者物価指数(CPI)伸び率が予想を大きく下回り、商品相場の先安観が浮上している。NY市場で原油先物相場が5日続落したこともあって、インフレ期待から買われてきた資源株が下げて相場を下押しする展開がありそうだ。
一方、決算が本格化するなか、業績を手掛かりとする個別銘柄の物色が引き続き活発となろう。きょうは中国生物製薬(
01177)、東江集団(
02283)、舜宇光学科技(
02382)などが2016年12月本決算を発表する予定。なお、10日の香港株の米国預託証券(ADR)は、香港コングロマリットの長江和記実業(
00001)や新世界発展(
00017)、中国政府系の投資持ち株会社である中国中信(
00267)などが香港終値を下回った半面、アジア基盤の保険会社AIAグループ(
01299)、中国携帯通信最大手チャイナ・モバイル(
00941)が上回って引けた。