10日前場の香港株式市場でハンセン指数は小幅続落。前場終値は前日比0.02%安の23496.80ポイントだった。H株指数は0.57%安の10038.02ポイント。半日のメインボードの売買代金は概算で378億3600万HKドル。
ハンセン指数は小反発で寄り付いた。前日の終値が約1カ月ぶり安値を付けただけに優良銘柄を中心に買い戻しが先行。ただ、買い一巡後は前日終値を挟んで一進一退の展開となった。米国の利上げ判断材料となる2月の米雇用統計の発表を控え、様子見気分が根強く、相場は方向感に欠けた。また、中国の2月物価統計を受けて浮上した消費減速懸念が引き続き意識されているほか、中国人民銀行(中央銀行)が9日夕方に発表した2月の金融統計で社会融資総量やマネーサプライM2などが市場予想を下回り、当局のデレバレッジ(資産・負債の圧縮)を進める姿勢から流動性悪化への警戒感もくすぶる。
個別では、米原油先物相場が約3カ月ぶりの安値を付けたことで石油メジャーのペトロチャイナ(
00857)、CNOOC(
00883)、シノペック(
00386)が続落した。石炭株の中国神華能源(
01088)の下げがきつい。中国工商銀行(
01398)、交通銀行(
03328)、中国平安保険(
02318)、華潤置地(
01109)など本土系金融、不動産株も総じて売られ、相場の重しとなった。半面、2016年12月本決算業績が予想を上回った不動産系コングロマリットのワーフ(
00004)が大幅高。香港不動産株の新鴻基地産(
00016)、恒基兆業地産(
00012)などもつれ高した。時価総額上位のテンセント(
00700)、AIAグループ(
01299)が上昇し、一定の支えとなった。