28日の香港株式市場でハンセン指数は4営業日続落。終値は前日比0.77%安の23740.73ポイントだった。H株指数は0.32%安の10297.96ポイント。メインボードの売買代金は概算で731億4400万HKドルと、前日に続き700億HKドル台にとどまり、約3週間ぶりの低水準となっている。
ハンセン指数は小反発で寄り付いた後、序盤は心理的節目の24000ポイントに乗せる場面もあった。前日まで3営業日続落しただけに、値ごろ感から優良銘柄を中心に買い戻しの動きが先行。ただ、勢いは続かず、買い一巡後は前日終値付近を挟んでもみ合う展開となった。上値の重さが意識されると、後場半ばにかけて下げ幅を広げた。下値抵抗とされる20日移動平均(大引け時点で23725.28ポイント)に近づく水準では下げ渋ったが、終値は14日以来、2週間ぶりの安値。トランプ米大統領の初めての議会演説、あすの中国の2月製造業購買担当景気指数(PMI)の発表を前に、リスクを回避する慎重ムードが強まった。売買代金の減少を受けて中国本土からの資金流入が減速しているとの懸念も重しとなった。
ハンセン指数構成銘柄では、前日に高かったアジア生保のAIAグループ(
01299)が反落したほか、時価総額上位のHSBC(
00005)、テンセント(
00700)、チャイナ・モバイル(
00941)が売られ、指数を押し下げた。2016年12月本決算が市場予想を下回った香港証券取引所(
00388)が続落。アップル関連銘柄の瑞声科技(
02018)、石油メジャーのペトロチャイナ(
00857)も下げが目立った。半面、2016年12月本決算が市場予想を上振れた中電控股(
00002)が逆行高。信和置業(
00083)、長江和記実業(
00001)など香港地場系銘柄の一角やマカオカジノのサンズ・チャイナ(
01928)もしっかり。ハンセン指数を構成する50銘柄のうち、8銘柄が上昇、1銘柄が変わらず、41銘柄が下落した。
H株では中国太平洋保険(
02601)、中国平安保険(
02318)など本土保険株や自動車大手のBYD(
01211)、長城汽車(
02333)が売られた。半面、建材の中国建材(
03323)、中国中材(
01893)が大幅高。2社の親会社である中国建築材料集団有限公司と中国中材集団有限公司の再編が中国商務部の独占禁止法審査を通過したことが材料視された。H株指数を構成する40銘柄のうち、15銘柄が上昇、2銘柄が変わらず、23銘柄が下落した。