2日の香港市場は前日に欧米株式相場が上昇した流れを引き継ぎ、買いが先行か。ハンセン指数は前日に続落し、下値抵抗として意識された10日移動平均に迫る水準まで下げる場面もあっただけに、割安感が強まった銘柄が物色されそうだ。今年に入って主要通貨に対する米ドルの価値を示すドルインデックスの下落傾向が続き、新興国から米国への資金還流懸念も後退している。米連邦準備理事会(FRB)は1日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場予想通り政策金利の据え置きを決定。声明には利上げペースの加速を示唆するような要素が見当たらず、総じてハト派的と受け止められた。またNY市場で原油先物相場が続伸したことも関連セクターの買い材料となるだろう。
もっとも、トランプ米大統領による政策運営の不透明感は根強い。リスク回避の売りが上値を抑える展開もありそうだ。米利上げの先行きの判断材料となる1月の米雇用統計の発表を3日に控え、結果を見極めたい投資家が積極的な売買を見送る可能性もある。1日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。保険株のAIAグループ(
01299)や中国平安保険(
02318)、中国IT大手のテンセント(
00700)などが香港終値を上回った半面、中国4大商業銀行の中国建設銀行(
00939)と中国工商銀行(
01398)、携帯通信最大手チャイナ・モバイル(
00941)は下回って引けた。