不動産デベロッパー大手、中国恒大集団（03333）は14日朝方、2021年9月の不動産販売額について、6−8月に続き大幅に減少する見通しを明らかにした。同社の不動産販売額（成約ベース）は6月が716億3000万元、7月が437億8000万元、8月が380万8000万元と減少傾向が鮮明になっている。同社に対するネガティブ報道が購入者心理に影響したとの見方を示した。販売額の大幅な減少で資金の回収状況が悪化し、キャッシュフローと流動性の圧力が高まっているとした。

　一方、同社は傘下の恒大物業集団（06666）、中国恒大新能源汽車（00708）の株式の売却や、新たな出資の受け入れを検討しており、複数の投資家に打診している。ただ、現時点で大きな進展は得られていないという。香港にあるオフィスビル「中国恒大中心」の売却についても買い手と合意に達していない。

　このほか、子会社2社が理財商品への担保義務を履行しておらず、対象商品は総額9億3400万元に上る。同社は償還について発行者、投資家と協議を進めている。債務不履行（デフォルト）が起きた場合、ほかの債権者も債務返済の前倒しを求める可能性があり、同社に事業運営や財務状況に重大な影響を及ぼす恐れがあるとした。

　中国恒大集団の14日前場終値は前日比9.79％安の3.04HKドル。