BofAセキュリティーズ（BofAS）は最新リポートで、中国人民銀行（中央銀行）の管轄下にある中国銀行間市場交易商協会が2018年から設立した民営企業起債支援ツールを拡充すると発表したことに触れ、ポジティブサプライズだと指摘した。同協会は支援ツールを利用した民営企業の社債発行額が2500億元に上る見通しを示したことについて、不動産企業への割当分がはっきりしていないものの、すべて不動産企業に割り当てられた場合、2500億元は先行きが期待されるデベロッパー候補の短期債務の総額に相当する規模とした。『AAストックス』が9日伝えた。

　BofASは、政策期待を背景にこのところ本土不動産企業の株価が反発しているが、人民銀による直接支援は予想を超えたと指摘。雅居楽集団（03383）、美的置業（03990）、龍湖集団（00960）、碧桂園（02007）、新城発展（01030）、旭輝控股（00884）、金地集団（600383）などが恩恵を受ける可能性があるとした。

　ただ、不動産市場に対する実質的な影響は限られるとの見方を示した。購買力と不動産価格の低迷で購入者は慎重な姿勢を維持している。不動産企業を取り巻く経営環境の実質的な改善には不動産販売の回復が不可欠だが、2023年は引き続き下押し圧力がかかると予想した。