11日の香港株式市場でハンセン指数は大幅に3日続落。終値は前日比2.04%安の26883.51ポイントだった。H株指数は1.94%安の10572.97ポイント。メインボードの売買代金は概算で1393億7300万HKドルとなり、前日に続き年初来の最大記録を更新した。
ハンセン指数は560ポイントを超す下げとなった。北朝鮮と米国との軍事衝突への警戒感が強まる中、ハンセン指数は大幅安でスタート。前場半ばに心理的節目の27000ポイントを割り込み、その後もじりじりと下げ幅を広げた。北朝鮮が10日に米グアムに向けて弾道ミサイルを発射する計画を発表した一方、米トランプ大統領は「炎と怒りは厳しさが足りなかったかもしれない」と応酬し、双方の威嚇が続いた。事態が沈静化する兆しが見られない中、リスクオフの売りが終始優勢。26900ポイントを下回る水準では下げ渋ったものの、終値は7月25日以来、約2週間半ぶりの安値を付けた。本土市場との相互取引を通じた香港株の売買は大幅な売り越しとなった。
ハンセン指数構成銘柄では、これまで相場の上昇をけん引したIT大手のテンセント(
00700)が約5%近く下落し、1銘柄だけで指数を153ポイント押し下げた。HSBC(
00005)、AIAグループ(
01299)、中国工商銀行(
01398)、中国平安保険(
02318)、香港証券取引所(
00388)など金融主力株などが軒並み売られた。石炭の中国神華能源(
01088)、自動車メーカーの吉利汽車(
00175)、前日大引け後に中間決算を発表した香港鉄路(
00066)、アップル関連銘柄の瑞声科技(
02018)も大幅安。半面、中間決算の予想上振れと特別配当を好感して通信キャリアのチャイナ・モバイル(
00941)が続伸。業績期待から食品メーカーの中国旺旺(
00151)が大幅逆行高を演じた。
H株では、非鉄金属の中国アルミ(
02600)、江西銅業(
00358)、鉄鋼の馬鞍山鋼鉄(
00323)、アンガン・スチール(
00347)、石炭のエン州煤業(
01171)の下げがきつい。半面、7月の自動車販売台数が6.7%増加した東風汽車集団(
00489)、第三者割当増資を計画していると発表した油田サービス業者のシノペック石油工程技術服務(
01033)が買われた。