1月の招福銘柄は、業績見通しの良好な銘柄や春節(旧正月)関連銘柄に着目した。まずは業績見通しが良好にもかかわらず株価が低迷している銘柄として、金鉱会社の招金鉱業(
01818)、短編動画プラットフォームの運営会社の快手科技(
01024)の2銘柄をピックアップ。旧正月関連銘柄としてはオンライン旅行会社の同程旅行(
00780)、カジノ銘柄のサンズ・チャイナ(
01928)を選んだ。今年の旧正月は8連休で旅行需要の拡大が期待されている。このほか中国の家電買い替え支援策が追い風となる美的集団(
00300)にも着目。今月はこの5銘柄に注目したい。
■美的集団(00300):海外展開と中国の買い替え支援措置が追い風
株価:75.55HKドル(12/31終値)
【中国の家電大手】トランプ次期米大統領が高関税の導入を表明するなか、複数の海外ブランドを買収し、国外に開発・製造拠点を持つ同社の強みが評価されそうだ。東芝の家電事業やイタリアの「CLIVET」、米国の「EUREKA」、ドイツの「KUKA」を近年に傘下に収め、海外の研究開発センターは17カ所、生産極点は21カ所に上る。中国政府が内需振興を目的に、24年9月以降の家電販売を支えた買い替え支援策を25年も継続実施するとの期待も強い。また、同社は12月27日、中国証券監督管理委員会のガイドラインに沿って、時価総額を管理する制度を導入すると決めたと発表しており、買い材料視されそうだ。
■同程旅行(00780):外国人の中国旅行も好調、春節到来で需要増
株価:18.20HKドル(12/31終値)
【中国のオンライン旅行会社大手】旅行関連の支援策が相次いでいることが追い風。24年11月には中国が韓国など9カ国を対象に短期滞在のビザを免除すると発表しており、韓国では若者を中心に週末の中国旅行がブームとなっている。また、12月には中国を経由して第三国(地域)に渡航する外国人がノービザで滞在できる時間が一律に240時間(10日間)に延長されており、海外から飛行機やホテルの検索が大幅に増加している。一方、中国では1月28日から2月4日まで春節(旧正月)の大型連休が控えていることもあり、国内・海外ともに旅行需要が高まりそうだ。
■招金鉱業(01818):業績好調も株価は低調に推移、業績期待高まれば反転上昇も
株価:10.96HKドル(12/31終値)
【山東省の金鉱会社】 好調な業績見通しを背景に株価の上昇を期待して選んだ。足元の業績は好調で直近24年1−9月期決算(中国会計基準)では売上高が27%増、純利益は2.4倍に拡大。ファクトセットのコンセンサス予想では24年12月本決算で約3割の増収、約8割の増益が見込まれている。一方、株価は足元で低調に推移。金相場の動向に連動する傾向が強く、11月に17%下落した後、12月も軟調な値動きが続いた。金相場については24年10月末の高値からは5%ほど下落したものの、引き続き過去最高値水準にある。業績に対する期待が高まれば株価の反転上昇も期待できそうだ。
■快手科技(01024):業績見通しが良好も株価低迷、テック銘柄では極めて割安水準
株価:41.35HKドル(12/31終値)
【短編動画プラットフォームの運営会社】業績見通しや経営指標が良好にもかかわらず、株価が割安な点に着目した。ファクトセットの市場予想によると、24年12月本決算の売上高は前年比12.2%増の1273億900万元、純利益は2.4倍の153億2500万元。大幅な増益が見込まれるものの、株価はさえない値動きが続いており、24年予想PERは11.3倍とテック銘柄としては極めて割安な水準となっている。通期決算の発表が近づくごとに、好業績見通しが市場でも意識され、見直し買いが増えると予想する。資本効率を示す自己資本利益率(ROE)は24年12月本決算の予想で23.6%とこちらも良好な水準。
■サンズ・チャイナ(01928):春節のカジノ収入の増加に期待、25年からマカオ渡航のマルチビザ導入
株価:20.90HKドル(12/31終値)
【米サンズ社のマカオ子会社】 春節(旧正月)のカジノ収入の増加への期待で買われる可能性がある。25年の春節は中国本土が1月28日から2月4日までの8連休。また、広東省珠海市からマカオに渡航する際のマルチビザが25年1月から導入され、マカオの訪問者数の増加に寄与しそうだ。同社はホテルなど非カジノ部門でも強みを持つほか、筆頭株主による自社株買いや、25年に配当の再開に経営幹部が意欲を示していることも支援材料。業績は回復が続く。ファクトセットのコンセンサス予想では24年通期は1割増収、4割増益の見通し。