◇アリババ集団
◇Alibaba Group Holding Ltd.
◇ハンセン:09988
◆ポイント
◇のれんの減損損失、前年の251億4100万元から27億1400万元に急減
◇中国商業部門が減収と停滞気味、クラウド部門は営業赤字横ばい
◇国際商業部門と物流部門が2桁増収、赤字もそろって減少
◆国際商業部門と物流部門が2桁増収、赤字もそろって減少
アリババ集団が発表した2023年3月本決算は売上高が前年比1.8%増の8686億8700万元、純利益が同17.0%増の725億900万元となった。売上原価が1.9%増、商品開発費が2.3%増、一般管理費が32.1%増、減価償却費が15.9%増と膨らんだが、のれんの減損損失が前年の251億4100万元から27億1400万元に激減した効果で、営業利益が44.1%増の1003億5100万元に伸びた。ただ、金融事業を手掛ける関連会社、アント・グループの利益貢献が57.3%減の102億9400万元に落ち込み、関連会社損益が80億6300万元のマイナス(前年は143億4400万元にプラス)になったことで最終利益の利幅が縮小した。
事業別では中国商業部門が停滞気味で、売上高が1.5%減の5827億3100万元、調整済みEBITA(利払い・税引き・一部償却前利益)が1.3%増の1848億6200万元。消費の減速、競争激化、コロナによるサプライチェーンの分断などが重なった。クラウド部門は売上高が3.5%増の772億300万元にとどまり、営業赤字も横ばいだったが、EBITAは24.1%増の14億2200万元に伸びている。国際商業部門は売上高が13.3%増の692億400万元、EBITAの赤字が前年の89億9100万元から56億2000万元に縮小した。効率化や付加価値サービスの提供で傘下のEコマース事業の赤字が減っている。「菜鳥」ブランドの物流サービス部門は売上高が20.8%増の556億8100万元、EBITAの赤字は3億9100万元(前年は14億6500万元)。国際事業の業績改善や物流サービスの業務効率化が寄与し、赤字削減につながった。
◆会社概要
BtoCの「天猫(Tモール)」やCtoCの「淘宝網(タオバオ)」などのネット通販が中核。新型小売りの生鮮スーパー「盒馬」、卸売サイト「1688.com」も運営する。海外では東南アジアのネット通販大手「ラザダ」を展開。動画サイトの「優酷」、ネット出前の「餓了麼」なども手掛ける。クラウド事業ではアジア最大手。阿里健康(
00241)やアリババ・ピクチャーズ(
01060)などが子会社。
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