◇北京控股
◇Beijing Enterprises Holdings Ltd.
◇レッドチップ:00392
◆ポイント
◇中国ガスの割当増資で希薄化、みなし売却益は17億1700万HKドル
◇主力3部門がそろって2桁の増収増益、ビール部門は需要回復が寄与
◇固形廃棄物処理部門は中国事業が75%増とけん引役に
◆主力3部門がそろって2桁の増収増益、ビール部門は需要回復が寄与
2021年6月中間決算は売上高が前年同期比26.1%増の403億8800万HKドル、純利益が同77.0%増の63億1600万HKドルだった。関連会社である中国ガス(
00384)の第三者割当増資に伴う希薄化を受け、17億1700万HKドルのみなし売却益を計上したことが大幅増益の主因。一時要因を除くコア利益は28.9%増の46億HKドルとなる。
本業は主力3部門がそろって2桁の増収と好調だった。売上原価は北京燃気のガス調達費用の増大や廃棄物処理事業の運営コストの増額で26.9%増の342億3800万HKドルと売上高の伸びを上回り、粗利益率は前年同期の15.8%から15.2%に低下。販売費が35.9%増の11億2400万HKドルと膨らんだものの、一般管理費を23.8%増の25億2300万HKドルに抑制し、金融費用を14.8%減の8億9700万HKドルに圧縮したことで利幅が広がった。
事業別では天然ガス部門の売上高が27.1%増の293億7500万HKドル、営業利益が13.6%増の18億7400万HKドル。北京燃気によるガスの販売量は需要増や市場拡大の効果で6.0%増の94億8100万立方米に達している。ビール部門は売上高が22.3%増の67億8300万HKドル、営業利益が53.0%増の4億8900万HKドル。コロナの感染抑制でビールの国内消費が回復し、2桁の増収増益となった。ビール販売量は1.7%増の213万キロリットルだった。一方、固形廃棄物処理部門は売上高が25.0%増の42億3100万HKドル、営業利益が44.9%増の8億9900万HKドル。独EEWの売上高が12.2%増にとどまったが、中国事業は北京控股環境集団(
00154)などのけん引で売上高が74.8%増に達し、全体を押し上げた。
◆会社概要
北京市政府系の公共事業会社。04年以降の事業再編を経て都市ガス事業を中核とする公共事業会社に転身した。全額出資子会社の北京市燃気集団に加え、株式22%を握る中国ガス(
00384)を通じて全国規模で都市ガス事業を展開。北控水務集団(
00371)や燕京ビール(
000729)を通じ、下水処理・水道事業とビール製造販売も手掛ける。16年には独EEWの買収で固形廃棄物処理事業を強化。
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