◇万洲国際
◇WH Group Ltd.
◇ハンセン:00288
◆ポイント
◇生物資産評価額を除いた純利益は3割増、主力の加工肉部門は安定成長
◇生鮮肉部門は米中ともに好調、養豚部門は黒字転換
◇中国で加工肉のシェア拡大を図る、米国事業はアジア向け輸出拡大に注力
◆中国で加工肉のシェア拡大を図る、米国事業はアジア向け輸出拡大に注力
万洲国際が発表した2019年12月本決算は売上高が前年比6.6%増の241億300万米ドル、純利益が同55.4%増の14億6500万米ドル。生物資産評価額が前年の10億9400万米ドルから12億4400万米ドルに13.7%増加したことが増益率を押し上げた一因だが、同評価額を除いても純利益は31.7%増と好調だった。主力の加工肉部門が安定成長を確保したほか、中国でのアフリカ豚コレラの感染拡大を受けて豚生体価格が上昇し、生鮮豚肉部門と養豚部門は業績が大きく改善した。
具体的には、加工肉部門は売上高が1.5%増、営業利益が1.7%増。中国で原材料である豚肉や鶏肉の価格急騰で利幅が縮小し、5.5%減益と振るわなかった半面、米国と欧州事業は製品の高付加価値化や管理費の削減が寄与してともに約8%の増益。生鮮肉部門は10.3%増収、63.8%増益。豚コレラの影響で中国での販売量は縮小したものの、価格上昇を受けて46.4%増益。米国では海外での需要増や貿易摩擦の緩和が寄与して営業利益が3.1倍と急拡大した。養豚部門は36.2%増収となり、営業損益は前年の1億1300万米ドルの赤字から1億6700万米ドルの黒字に転換した。
中国で豚コレラの影響が続き、業界の統合が進む中、加工肉部門のシェア拡大と垂直統合型事業モデルの強化を図る。家禽事業も拡大する方針。米国では中国やアジア市場向けの輸出拡大に注力する。一方、新型コロナウイルス感染症については、豚肉が必需品のため、現時点で影響は限られるとしている。
◆会社概要
豚肉生産の世界最大手。中国と米国を中心に養豚、生鮮豚肉、肉製品の製造・販売を手掛ける。豚肉生産コストが安い米国から大消費地の中国に輸出する事業モデルに強み。中国事業は河南双匯投資発展(
000895)、米国事業は13年に買収したスミスフィールド・フーズを通じて展開する。地域別売上比率は中国36%、米国55%(19年12期)。上場前の旧社名は双匯国際控股。17年9月にハンセン指数構成銘柄に採用された。
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