◇杭州泰格医薬科技
◇Hangzhou Tigermed Consulting Co.,Ltd.
◇H株:03347
◆ポイント
◇金融資産評価益の急増が奏功、その他損益が2.8倍の7億5200万元に拡大
◇臨床試験サービス部門は売上高が13%、19年7月以降の企業買収で成果
◇香港IPOで102億HKドルを調達、海外企業買収や研究機能強化に充当
◆香港IPOで102億HKドルを調達、海外企業買収や研究機能強化に充当
2020年6月中間決算は、売上高が前年同期比9.3%増の14億5200万元、純利益が同83.0%増の10億4900万元となった。金融資産評価益の急増や関連会社の売却益などでその他損益が2.8倍の7億5200万元に急増し、利幅が広がった。新型コロナの感染拡大に伴う国内外での業務の停滞を受けて売上高が伸び悩む中、粗利益率は前年同期の46.5%から48.1%に上昇。一般管理費が24.2%増、研究開発費が23.5%増、金融費用が63.0%増と膨らんだが、その他損益の急増で賄った。
事業別では臨床関連・検査サービス部門の売上高が5.7%増の7億4100万元にとどまった。需要は旺盛だったが、新型コロナの感染拡大で臨床試験の患者募集が難航したほか、医療スタッフ不足や当局の許認可の遅れなど影響は多岐にわたった。部門粗利益率は前年同期の50.2%から45.5%に低下。旺盛な需要を見越して施設や人員を増強したことでコストが増加する中、新型コロナで活用しきれず、採算が悪化した。一方、臨床試験サービス部門は売上高が13.3%増の7億1100万元。19年7月に買収した北京雅信誠医学信息科技と20年1月に買収した上海謀思医薬科技が貢献した。両社は利益率も高く、部門粗利益率は42.4%から50.7%に改善している。
香港のIPOでは公開価格がレンジ上限の100HKドルで、正味調達額は102億7300万HKドルに上る。全体の約40%で海外の臨床試験受託サービス事業者を買収する計画。また、約20%で自社のバイオ医薬品の研究開発機能を充実させ、15%相当を米欧やアジア太平洋地域などの海外事業の強化費用に充てる。
◆会社概要
浙江省杭州に本社を置く医薬品開発業務受託機関(CRO)。医薬品の臨床試験の受託サービスに強みを持ち、この分野では売上高ベースの市場シェア8.4%を握る中国最大手(19年)。世界でも9位にランクされる。海外事業にも積極的で米国や欧州、日本、韓国などに拠点を構える。臨床検査サービスを提供する香港上場の方達控股(
01521)は子会社。深セン証取の創業板にも上場している。
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