◇中興通訊
◇ZTE Corp.
◇H株:00763
◆ポイント
◇1−3月期決算の純利益は8億6300万元、54億元の損失から黒字に復帰
◇売上高は19%減も営業増益、売上原価圧縮などが奏功
◇6月中間期は純利益12億−18億元の見通し、上限ならV字回復
◆6月中間期は純利益12億−18億元の見通し、上限ならV字回復
中興通訊が発表した2019年1−3月期決算(中国会計基準)は純利益が8億6300万元となり、54億700万元の純損失を計上した前年同期から黒字に転換した。売上高は前年同期比19.3%減の222億200万元に落ち込んだが、売上原価と販売費の圧縮、資産減損損失の大幅な縮小などが奏功し、営業利益は26.6%増の14億6400万元に達した。さらに前年同期にはイランや北朝鮮への違法輸出を理由に米国当局から科せられた罰金を含め67億3200万元を非経常支出として計上していただけに、罰金負担の消失も黒字転換に寄与した。
同社は18年に苦境に陥り、業績も悪化した。18年12月本決算(香港会計基準)の純損失は69億8400万元で、45億6800万元の純利益を計上した前年から赤字に転落した。売上高は前年比21.4%減の855億1300万元。イランや北朝鮮への違法輸出を理由に米国企業との取引を禁じる米国の制裁が痛手で、部品を調達できずにスマートフォンの生産が停止に追い込まれるなど大きな影響が出た。18年4月に始まった制裁は7月に解除されたが、和解条件として支払った罰金の負担が最後まで響いた。
19年6月中間決算でも黒字に転換する公算が大きい。中興通訊が発表した見通しでは6月中間決算の純利益は12億−18億元で、純損失が78億2400万元に膨らんだ前年同期から黒字に復帰する。4−6月期の純利益は単純計算で3億3700万−9億3700万元に達する見込み。レンジの上限であれば、中間期の最高益を達成した17年には及ばないものの、16年6月中間期を上回り、「V字回復」を果たしたといえそうだ。
◆会社概要
大手通信機器メーカー。通信キャリアや政府機関、企業を顧客に情報通信機器の設計、製造、設置を担う。主力製品は無線・有線通信機器とソフトウエア・システム、政府や企業のIT化ソリューション。消費者向けにスマートフォンやアプリの開発・製造も手掛ける。18年の地域別売上高比率は中国が64%、欧米・オセアニアが18%、中国を除くアジアが14%、アフリカが5%。
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