2024-12-13 |
中国/政策/その他 |
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25年の財政赤字率を引き上げ=中央経済工作会議
中国指導部は来年の経済政策の方針を決める中央経済工作会議を11−12日に開いた。「より積極的な財政政策」と「適度に緩和的な金融政策」を実施すると決め、9日の中国共産党中央政治局会議で示した方針を再確認した。
財政政策では、赤字率を高めて重点分野への支援を強化する。超長期特別国債の増発により、「両重」プロジェクト(国家重大戦略の実施および重点分野安全能力の建設)と「両新」政策(大規模設備更新および消費財買い替え促進)の実施を引き続き支える。地方政府が専項債発行による資金利用を増やす。金融政策では、タイムリーに預金準備率と金利の引き下げを行って十分な流動性を維持し、経済成長や物価水準予想の目標と釣り合う形で社会融資規模やマネーサプライが増えるようにする。
同会議は、足元で外部環境の変化がもたらす不利な影響が深刻になり、中国経済が依然として多くの困難と課題に直面していると指摘。国内需要の不足、一部企業の経営難、国民の雇用や所得増にかかる圧力などを主要リスクとして挙げた。その上で、25年の経済政策の重点任務として次の9項目を示した。
◇消費の振興と投資収益の向上に力を入れ、全方位で国内需要を拡大する。
◇科学技術イノベーションにより新質生産力を発展させ、現代化産業体系を建設する。
◇象徴的な改革措置の実施を推進し、効果を上げる。国有企業改革深化・向上行動を高い質で完成させ、民間経済促進法を施行する。
◇高水準の対外開放を拡大し、貿易と海外からの投資を安定させる。
◇引き続き不動産市場の下落を食い止め、安定を回復させるよう努める。城中村(都市のなかに取り残された村落)や老朽化した危険な住宅の改修を強化し、住宅の実需や住み替えの潜在力を十分に引き出す。
◇新型都市化と農村全面振興を協調して進め、都市と農村の融合発展を促進する。
◇区域戦略の実施を強化し、各地域の発展の活力を高める。区域間の協調発展戦略、区域重大戦略、主体機能区戦略の相乗効果を発揮し、新たな成長極を積極的に育成する。
◇二酸化炭素排出の抑制、汚染の減少、緑地の拡大を共同で進め、経済社会発展の全面グリーン化を加速する。
◇民生の保障と改善にいっそう力を入れ、国民が得る幸福感と安心感を増強する。