中国国有企業のペトロチャイナ(
00857/
601857)、シノペック(
00386/
600028)、シノペック上海石化(
00338/
600688)、中国人寿保険(
02628/
601628)、中国アルミ(
02600/
601600)はそろって12日大引け後、米ニューヨーク株式市場に上場する米国預託証券(ADS)を上場廃止させる方針を明らかにした。いずれも米ニューヨーク証券取引所に通知済み。各社は8月下旬に上場廃止の申請書を提出する予定で、申請はその10日後に発効する見通し。
米国証券取引委員会(SEC)がシノペック、中国アルミ、中国人寿保険を当局による監査状況の検査を受け入れない企業に指定し、確定リスト(Conclusive list)に追加したのは今年5月。指定は2020年12月に成立した「外国企業説明責任法(HFCAA)」に基づく措置で、外国当局の反対などにより、米国公開会社会計監督委員会(PCAOB)が指定企業を担当する監査法人を定期的に検査できない状態が3年続いた場合、SECは指定企業の上場を廃止する権限を持つ。一方、これらの国有企業が期限を待たずに、米ADRの上場廃止を自ら表明したことから、中国上場企業の監査問題を巡る米中協議の進展に注目が集まりそうだ。
中国証券監督管理委員会(CSRC)は記者取材に対し、「これらの企業が米国に上場して以降、米資本市場のルールなどを厳格に順守してきており、上場廃止の決定は自社の商業的判断に基づいたもの」とコメントした。