10日の香港市場で中国半導体ファウンドリーのSMIC(
00981)と華虹半導体(
01347)が安い。中国当局が半導体基金の幹部を汚職疑惑で調査しているほか、米国で半導体の製造・研究開発支援に527億米ドルの補助金を投じる「半導体チップと科学法(CHIPS and Science Act)」が成立し、売り材料視されたもよう。
同法は7月に米上下院が可決し、今月9日にバイデン米大統領が署名した。米国各地の技術センターに100億米ドルの資金を提供するほか、半導体と関連機器の生産について25%の投資控除を適用する(総額240億米ドル相当)。ほかに、向こう10年に2000億米ドル相当の支援を米国の科学研究に与え、中国に対抗して競争力の向上を図る。
一方、中国共産党中央規律検査委員会と国家監察委員会は9日、華芯投資管理有限責任公司の幹部3人を重大な法律違反の疑いで取り調べていると発表した。華芯投資管理は2014年に発足し、同年に中国財政部などが設立した半導体ファンド「国家集成電路産業投資基金」の出資者となった。
『香港経済日報』によると、中国半導体産業に関わる重要人物の摘発が耳目を集めている。肖亜慶・工業情報化部長や、国家集成電路産業投資基金の丁文武総経理などが最近相次いで中央規律検査委員会の調査対象になった。
日本時間午後3時50分現在、関連銘柄の値動きは次の通り。
■SMIC(
00981):17.14HKドル(前日比2.06%安)
■華虹半導体(
01347):25.35HKドル(同3.98%安)