9日の香港市場は反発スタートか。前日のNY市場でダウ平均が306米ドル高と続伸。1兆9000億米ドルの追加経済対策の成立見通しやワクチン普及による経済活動の早期正常化期待を受けて景気敏感株が買われた。ハンセン指数は前日まで大幅に3営業日続落し、終値は1月29日以来、約5週ぶり安値で終えただけに、買い戻しが先行しそうだ。
もっとも、景気回復を見込み、8日の米債券市場では長期金利が一時1.6%台に上昇した。米長期金利の上昇を受けて割高感の強いハイテク株が売られ、香港市場にも高PER銘柄の持ち高整理を目的とする売りが波及しそうだ。中国本土マネーの流出も気掛かり。前日に本土から相互取引を通じて香港株を売買する「南向き資金」は132億HKドルの売り越しとなり、単日の売越額は史上2番目の大きさとなった。
同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、国際金融株のHSBC(
00005)やAIAグループ(
01299)、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)などが香港終値を上回った半面、ネット関連のテンセント(
00700)、アリババ集団(
09988)が下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前週末の終値を120ポイント超上回って寄り付くことになる。