30日の香港市場は前日の米株高の流れを引き継ぎ、買い優勢で始まるか。29日の米NY株式相場は主要3指数が反発。注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)でゼロ金利政策が据え置かれ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が新型コロナウイルスの経済への悪影響が過ぎ去るまで必要な金融支援を続けると従来のスタンスを継続したことで安心感が広がった。香港市場では、中国の経済政策に対する関心が高まっている。中国共産党の中央政治局が開催する月例会議で、例年通りであれば7月は経済動向や下期の政策が確認される。間もなく開催される同会議を前に経済対策への期待が高まりやすくなりそうだ。
もっとも、買い一巡後は上値が重くなることも考えられる。市場では経済動向のほか、新型コロナの再拡大、本土の水害、米中関係の緊張などへの警戒感が依然高い。あす本土で発表される7月の製造業購買担当景気指数(PMI)を控えた様子見気分、また、きょうはハンセン指数先物7月物の最終売買日に当たり、持ち高整理の売りが出やすいことも相場の重しとなるだろう。
なお、29日の香港株の米国預託証券(ADR)は欧州金融大手のHSBC(
00005)、中国IT大手のテンセント(
00700)、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)などが香港終値を上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を160ポイント超上回る水準で寄り付くことになる。