17日の香港市場は上値の重い展開か。16日のNY株式相場は3日続伸。トランプ政権が1兆米ドルのインフラ投資を計画との報道を受けて景気刺激策への期待が高まるなか、5月小売売上高が過去最大の改善を示したことや、新型コロナウイルス治療薬への期待が高まったことでセンチメントが大きく改善した。
ただ、インフラ投資のニュースについては、前日の香港市場ですでに織り込まれており、影響は限定的とみる。16日の香港株の米国預託証券(ADR)は、ホンコン・チャイナガス(
00003)や中国建設銀行(
00939)、中国工商銀行(
01398)が香港終値を下回って引けており、香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を90ポイント超下回る水準で寄り付くことになる。
一方、香港政府統計処が16日に発表した2020年3−5月の失業率は5.9%となり、前回(2−4月)の5.2%から悪化。市場予想よりも悪い結果となり、金融危機のあった2009年(5.5%)を上回り、15年ぶりの高水準となった。失業者数は23万400人と1カ月で2万7900人増加。新型コロナウイルスの流行前(2019年11月−2020年1月)と比べると10万8100人増えており、景気悪化への懸念も相場の重しとなりそうだ。