11日の香港市場は上値の重い展開か。引き続き利益確定売りなどが重しとなりそうだ。前日の米NY株式相場は、ハイテク株主体のナスダック総合が4営業日続伸し史上初の1万米ドルに乗せた一方、ダウ平均が続落。注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場の予想通り政策金利が据え置かれ、2022年末までゼロ金利政策が維持されることが示唆された。ただ、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「雇用の回復には時間がかかる」と述べたことで「経済活動再開銘柄」への売りが強まった。時間外取引のダウ平均先物は軟調に推移している。
前日の香港市場ではハンセン指数が小幅ながら8営業日ぶりに反落。政策期待が支えとなる一方、3カ月ぶりの高値圏で推移するなかで、目先の利益が出やすい状況が続きそうだ。また、きょうは米ナスダック市場に上場するオンラインゲーム大手のネットイース(
09999)が香港市場でセカンダリー上場。来週18日にはネット通販大手のJDドット・コム(
09618)も上場を控えており、ハイテク銘柄に買いが波及することも考えられる。
なお、前日の香港株の米国預託証券(ADR)は、欧州金融大手のHSBC(
00005)や中国石油メジャーのCNOOC(
00883)などが香港終値を下回って引けた半面、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)や中国IT大手のテンセント(
00700)などが香港終値を上回って引けた。