週明け8日の香港市場は米株高の流れを引き継ぎ買いが先行するか。前週末のNY市場でダウ平均は829米ドル高と5日続伸し、2月下旬以来の高値を付けた。米5月雇用統計で非農業部門雇用者数が250.9万人増と予想の800万人減に反して過去最大の増加となったほか、20%程度に悪化すると予想された失業率も13.3%にとどまったことがサプライズとなった。雇用統計の驚異的な改善を受けて、米景気の早期回復に対する楽観論が高まった。世界経済の持ち直しへの期待から香港市場にも買いが広がりそうだ。加えて、中国政府の金融緩和や財政出動といった景気刺激策に対する根強い期待も引き続き相場を支えよう。
一方、先週のハンセン指数は5日続伸し、週間の上昇率が7.9%に達した。約3カ月ぶり高値で終えただけに、目先の利益をいったん確定する売りが重荷になる可能性がある。中国本土では10日から来週明けにかけて物価統計や金融統計、鉱工業生産などの主要経済指標が発表される。7日に発表された5月の中国の米ドル建て貿易統計は、輸出が3.3%減となり、下落率は市場予想の7.0%より小幅だった半面、輸入は16.7%減と市場予想の9.7%減から悪化した。
5日の香港株の米国預託証券(ADR)は、中国IT大手のテンセント(
00700)が香港終値を小幅に下回った半面、欧州金融大手のHSBC(
00005)、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)は上回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約170ポイント上回る水準で寄り付くことになる。