29日前場の香港株式市場で、ハンセン指数は3日続落。前場終値は前日比0.71%安の22968.41ポイントだった。中国企業指数は0.23%安の9529.79ポイント。半日のメインボードの売買代金は概算で560億2000万HKドルだった。
ハンセン指数は前日の米株安の流れを引き継ぎ、下げて始まった。米中対立の先鋭化を懸念する売りに押され、幅広いセクターで売りが先行した。トランプ米大統領が香港の自治を巡る中国の対応について29日に記者会見を開くと発表したことで、米国の対中制裁が警戒されたもよう。ただ、安く始まった中国本土相場が上げに転じて午前の取引を終えたこともあって、ハンセン指数は下げ幅を縮小。寄り付きで割り込んでいた心理的節目の23000ポイントを小幅ながら上回る場面があった。
個別では、朝方に第三者割当増資の計画を発表した吉利汽車(
00175)が急落。アジア基盤の保険会社AIAグループ(
01299)や、欧州の銀行最大手HSBC(
00005)と子会社のハンセン銀行(
00011)も大きく売られている。不動産デベロッパーの中国海外発展(
00688)、新鴻基地産(
00016)は続落した。半面、前日大引け後に2020年1−3月期決算を発表した中国生物製薬(
01177)が大幅に反発。香港商業不動産大手の九龍倉置業地産(
01997)、衛生用品大手の恒安国際集団(
01044)も高い。前日に大幅安だった瑞声科技(
02018)は買い戻された。