8日のNY株式相場は続伸。多くの州で経済活動が段階的に再開しコロナ後の景気回復期待が高まるなか、米中関係悪化懸念が和らいだことが支援となった。注目された米4月雇用統計は記録的水準に悪化したものの、恐れられたほど悪くなかった。翌週から店舗を再開すると発表したアップルが2.38%高となったほか、移動制限で大きく売られたサウスウェスト航空、アメリカン航空がともに6%超上昇し、テーマパークの休園が長引くウォルト・ディズニーも3.40%上昇した。ダウ平均は455.43米ドル高(+1.91%)の24331.32米ドルと、ほぼ一日の高値で終了。S&P500とナスダック総合もそれぞれ1.69%高、1.58%高で終了し、主要3指数そろっての2日続伸となった。週間ではダウ平均が2.56%高、S&P500が3.50%高、ナスダック総合が6.00%高とそろって3週ぶりに反発した。年初来ではダウ平均が14.74%安、S&P500が9.32%安となり、前日に昨年末水準を回復したナスダック総合は1.66%高となった。
寄り前に発表された4月雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)が2050万人減と前月改定値の87万人減から大幅に増加したが、市場予想の2200万人減を下回った。失業率も前月の4.4%から14.7%に悪化したが、市場予想の16.0%を下回った。NFP、失業率ともに戦後最悪の数字となったが、予想されたほどには悪化しなかった。コロナ感染拡大の責任を巡る米中関係悪化が懸念されるなか、中国の劉鶴副首相とライトハイザー米通商代表、ムニューシン米財務長官が電話会談で、米中貿易協議の第1段階合意の実施に向けて、良好な環境を構築することで合意したと報じられたことも安心感につながった。投資家の不安心理を示すVIX指数は前日の31.44から27.98に低下。2月26日以来、約2カ月半ぶりに20ポイント台に低下した。
海外市況
指標 寄値 高値 安値 終値 前日比 騰落率
NYダウ 24107.82 24349.90 24107.05 24331.32 455.43 1.91
S&P500 2908.83 2932.16 2902.88 2929.80 48.61 1.69
NASDAQ 9056.89 9125.98 9018.21 9121.32 141.66 1.58
CME225先物 19785.00 20250.00 19770.00 20210.00 70.00 0.35
FT100 5935.98 5935.98 5935.98 5935.98 82.22 1.40
DAX 10882.44 10918.32 10819.07 10904.48 145.21 1.34
為替(ドル/円) 106.27 106.74 106.21 106.72 0.45 0.42
WTI先物 23.35 24.99 23.26 24.74 1.19 5.05
金(Gold)先物 1727.20 1735.50 1703.10 1713.90 -11.90 -0.69
※CME225先物は円建て。前日比は前日の大証日中終値比を記載。