31日の香港市場は、米株式市場が上昇した流れを引き継ぎ買いが先行するか。前日のNY市場でダウ平均が690米ドル高と反発した。先週末に米政府の巨額の経済対策法案が成立したことで景気への過度な懸念が後退したことに加え、新型コロナウイルスのワクチン開発への期待も高まり、センチメントの改善につながった。30日の香港株の米国預託証券(ADR)は、欧州金融のHSBC(
00005)、IT大手のテンセント(
00700)、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)、中国国有銀行の中国建設銀行(
00939)などが香港終値を上回った。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を230ポイント超上回る水準で寄り付くことになる。
中国の財政出動や金融緩和に対する期待も根強い。中国共産党は27日開いた中央政治局会議で、財政赤字の拡大や特別国債の発行を容認する方針などを決めた。また、中国人民銀行(中央銀行)は前日に公開市場操作(オペ)を30営業日ぶりに再開し、7日物リバースレポ(売り戻し条件付き債券購入)の金利を0.2%引き下げて2.20%とした。これが事実上の政策金利、ローンプライムレート(LPR)の引き下げにつながるとの見方が出ている。
企業の決算発表が終盤に入り、業績を手掛かりとした売買が引き続き活発となるだろう。中国本土ではきょう日本時間の午前10時に2020年3月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表される。市場コンセンサス予想は45.0、前月実績は35.7。