19日の香港市場は引き続き波乱含みか。前日と同様にダウ平均先物の値動きをにらんだ展開となりそうだ。18日の米NY株式相場は主要3指数がそろって大幅反落。新型コロナウイルスの世界的大流行による景気後退懸念が一段と高まり、ダウ平均は2017年のトランプ大統領就任以降の上昇分を全て失った。投資家の「キャッシュ・イズ・キング」のマインドが強まるなか、安全資産の米国債や金が大きく売られ、米ドルの主要通貨に対する総合的な強さを示すドルインデックスが急上昇。中国を含む新興国からの資金流出懸念が高まりそうだ。
香港市場では前日にハンセン指数が3年2カ月ぶりの安値圏まで下落。同指数のRSI(14日)は20.2%(前日大引け時点)と、売られ過ぎを示唆する30を大きく下回り、「長期投資家にとっては魅力的な水準」(香港経済日報)との声も聞かれる。中国本土相場では上海総合指数が6営業日続落し、終値ベースで春節(旧正月)明けの安値を下回った。外資資金の流出とともに、リスク回避の売りが加速しているのは気がかりだ。
なお、18日の香港株の米国預託証券(ADR)は、本決算を発表したIT大手のテンセント(
00700)のほか、アジア生保大手のAIAグループ(
01299)や本土国有銀行大手の中国工商銀行(
01398)といった大型銘柄を中心に香港終値を大きく下回って引けた。