10日の香港市場は引き続き下値を探る展開か。前日のNY市場はアジア市場が下落した流れを引き継ぎ急落し、前週末比2013米ドル(7.8%)安で終えた。下げ幅は過去最大で、2019年1月上旬以来の安値。S&P500は寄り付き直後に7%安となり、15分間のサーキットブレーカーが発動する場面もあった。新型コロナウイルスの感染拡大が続き世界的景気後退懸念が強まるなか、原油相場が暴落したことでセンチメントが大きく悪化している。香港市場でも引き続きリスクを回避する動きが優勢になりそうだ。
9日の香港株の米国預託証券(ADR)は、ITが大手のテンセント(
00700)や、欧州金融大手のHSBC(
00005)、石油メジャーのAIAグループ(
01299)などが香港終値を下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を260ポイント超下回り、心理的節目の25000ポイントを割り込んで寄り付くことになる。
もっとも、ハンセン指数が前日に1100ポイント超下げたこともあり、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた主要国の景気対策に対する期待から、安値を拾う買いが一定の下支えになると予想する。米メディアは「トランプ米大統領が給与税減税を10日に議会と協議する」と伝えており、時間外取引で米株価指数先物が上昇している。
なお、中国本土できょう日本時間の午前10時30分に2月の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)が発表される。市場コンセンサス予想はCPIが5.2%上昇(前月実績は5.4%上昇)、PPIが0.3%低下(同0.1%上昇)。