20日の香港市場は上値の重い展開となるか。19日の米NY株式相場は上昇し、ナスダック総合とS&P500が史上最高値を更新。中国での新型肺炎の感染者数の増加ペースが鈍化したことや、中国政府の景気支援策への期待が高まったことなどを受けてセンチメントが改善した。景気支援策を巡っては、中国人民銀行(中央銀行)がきょう寄り付き後に実質的な政策金利である最優遇貸出金利(LPR)を発表する予定で、今月は引き下げの公算が大きい。当局の企業支援に関する報道も伝わっており、引き続き相場の支援材料となりそうだ。
一方、米ドル高や金価格の上昇の動きは相場の重しとなりそうだ。米ドルの主要通貨に対する総合的な強さを示すドルインデックスは2年9カ月ぶりの高値圏まで上昇し、新興国からの資金流出懸念が高まっている。米NY金先物相場も前日に一時、7年ぶりの高値を付け、世界的なリスク回避の動きが意識されている点は気がかりだ。
19日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。IT大手のテンセント(
00700)やアジア生保のAIAグループ(
01299)が香港終値を上回った半面、欧州金融大手のHSBC(
00005)や本土国有銀行大手の中国建設銀行(
00939)が下回った。なお、ハンセン指数は前日に10日移動平均(19日大引け時点で27624ポイント)を回復。きょうは相場の強気と弱気の分かれ目とされる250日移動平均(同27686ポイント)などが意識される。