31日の香港市場は、軟調な展開か。新型コロナウイルスによる肺炎の感染者数と死者数は日を追うごとに大幅に増加しており、先行きが不透明ななか、リスク回避の売りが相場の重しとなりそうだ。新型肺炎の感染者数はすでに2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)を超えている。世界保健機関(WHO)は新型肺炎の死亡率が暫定で約2%にとどまり、SARSの約10%を下回ると指摘しているが、香港の専門家は今回の肺炎について、初期症状は軽いものの、後に悪化し、数週間後に死亡するケースもあるとし、死亡率が上昇する可能性を指摘している。
ただ、ハンセン指数は旧正月連休明け2営業日で1500ポイント(5.4%)下落しており、自律反発狙いの買いが入る可能性もある。一方、寄り付き前に中国で1月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表される予定で、結果によっては相場の波乱要因となりそうだ。
30日のNY株式相場でダウ平均は下落後に上昇。WHOが緊急事態を宣言したものの、中国への渡航禁止を推奨せず、中国では状況がコントロール下にあるとしたことで警戒感が和らいだ。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、HSBC(
00005)やテンセント(
00700)、AIAグループ(
01299)が香港終値を上回って引けた。