21日の香港株式市場でハンセン指数は大幅に続落。終値は前日比2.81%安の27985.33ポイントだった。中国企業指数は3.19%安の10970.13ポイント。メインボードの売買代金は概算で1328億4000万HKドルに達した。
ハンセン指数は安く始まり、ほぼ一本調子で下げ幅を拡大。終盤に心理的節目の28000ポイントを割り込み、終値は2019年12月24日以来ほぼ1カ月ぶり安値を付けた。中国本土の湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大が景気を下押しするリスクが意識され、全面安の展開だった。同ウイルスは人から人への感染は考えにくいとされていたが、中国の国家衛生健康委員会の幹部で呼吸器疾患臨床研究者の鐘南山氏が20日、「人から人に感染している」と言明。春節(旧正月)の連休入りを週末に控えて運用リスクを回避する売りが膨んだ。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが20日に香港の債務格付けを引き下げ、地合いが悪化した面もあった。セクター別では、消費財や不動産・建設、素材の下げがきつい。
ハンセン指数を構成する50銘柄が全て下げた。保険株のAIAグループ(
01299)、中国人寿保険(
02628)、中国平安保険(
02318)が軒並み下落。テンセント(
00700)は大株主である馬化騰会長が先週、持ち株の一部を2年3カ月ぶりに売却し、嫌気した売りが出た。自動車メーカーの吉利汽車(
00175)と豚肉大手の万洲国際(
00288)は大幅続落。前引け後に2019年12月本決算を発表した恒隆地産(
00101)も下げた。
そのほか、春節連休が書き入れ時のセクターで大きく売られる銘柄が目立った。行楽関連ではトラベルスカイ・テクノロジー(
00696)、中国東方航空(
00670)、中国南方航空(
01055)、チャイナトラベル・ホンコン(
00308)、味千中国(
00538)、同程芸龍(
00780)が急落。油田サービスのシノペック石油工程技術服務(
01033)やネット損保の衆安在線財産保険(
06060)、半導体ファウンドリーのSMIC(
00981)も安い。半面、医薬品株の北京同仁堂科技(
01666)と山東新華製薬(
00719)が上昇。ヘルステックの平安健康医療科技(
01833)はマッコーリーの強気判断を材料に買われた。