16日の香港市場は前日の米株高が支えとなるものの上値の重い展開か。15日の米NY株式相場は主要3指数がそろって史上最高値を更新。米中貿易協議を巡り、両国政府が「第1段階」合意文書に署名したことなどが好感された。米中合意を受けて貿易摩擦による景気の不透明感が後退した一方、合意内容は市場の予想通りで、発動済みの対中制裁関税の大部分は維持された。イベント通過後の一服感が広がるなかで、積極的な買いが入りづらくなりそうだ。
また、中国の金融政策を巡り、中国人民銀行(中央銀行)は前日の中期貸出制度(MLF)操作で金利を据え置き、引き下げを期待していた投資家の失望売りを誘った。あす発表される中国の2019年経済成長率や12月の主要経済指標を控え、結果を見極めたい投資家の様子見気分も相場を重くしそうだ。
なお、15日の香港株の米国預託証券(ADR)はまちまち。アジア生保大手のAIAグループ(
01299)や中国保険大手の中国平安保険(
02318)などが香港終値を上回った半面、中国IT大手のテンセント(
00700)、欧州金融大手のHSBC(
00005)などが下回って終えた。