19日の香港市場はもみ合う展開となるか。ハンセン指数は前日終値で今年7月30日以来、4カ月半ぶりの高値を付けた。利益確定売りが出やすい環境だが、中国本土市場で金融緩和への期待が高まっていることや、本土から相互取引制度を通じた香港株売買で1カ月以上買い越しが続いていることなどが相場を支えるだろう。中国の金融政策を巡っては、中国人民銀行(中央銀行)が前日に公開市場操作(オペ)を通じて2000億元の短期資金を銀行間市場に供給したことに加え、14日物リバースレポ金利を引き下げたと発表。あす発表される最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)の引き下げ予想や、来年1月に預金準備率を引き下げるとの見方も浮上している。
また、中国の習近平国家主席が18日からマカオ訪問を開始した。習氏は20日に開催されるマカオ返還20周年の記念行事に出席する予定。報道によると、これに合わせて中国当局が人民元建て証券取引所の設立や人民元決済センターとしての機能強化、隣接する広東省・横琴島の土地利用など一連のマカオ支援策を発表するとみられる。
18日の米NY株式相場はほぼ横ばい。米中通商「第1段階」合意を受けてリスクオンの流れが続いたものの、高値警戒感から上値の重い展開となった。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は本土大手国有銀行の中国建設銀行(
00939)や中国工商銀行(
01398)などが香港終値を下回った。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を約50ポイント近く下回る水準で寄り付くことになる。