11日の香港市場でハンセン指数は方向感に乏しい展開か。きょうの米連邦公開市場委員会(FOMC)のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見を前に、積極的な売買を手控える投資家が多いと予想する。米国による対中追加関税の発動が15日に迫り、米中貿易協議を巡る不透明感も根強い。米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』(電子版)は10日、「米中の交渉担当者が対中制裁関税の追加分の発動延期に動いている」と報じた。しかし米CNBCの経済ニュース番組キャスターが「米大統領はこれについて何も承知していないはず」「中国側が流した話ではないか」と述べるなど、報道は錯綜している。
一方、中国共産党が来年の経済政策指針を決める「中央経済工作会議」を10日開いたと伝わった。景気刺激策への期待から中国本土相場が上昇すれば、買いの勢いが香港市場にも波及する可能性がある。
10日のNY株式相場はダウ平均など主要3指数がそろって続落した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。香港コングロマリットの長江和記実業(
00001)、中国の携帯通信最大手チャイナ・モバイル(
00941)、中国4大国有銀行の中国工商銀行(
01398)が香港終値を下回った半面、香港公益株のホンコン・チャイナガス(
00003)、石油株のCNOOC(
00883)、食品株の中国蒙牛乳業(
02319)が上回って引けた。